自筆証書遺言保管制度の新設と遺言書の方式緩和 パート1

 ● 平成30年7月6日、法務局における遺言書の保管等に関する法律が
  成立し、法務局において自筆証書遺言を保管する制度が新たに設けられ
  ることとなりました。
   自筆証書遺言は遺言者が自分一人で書くことができ、保管場所も自由
  に決めることができるものですが、保管場所を遺族に見つけてもらえな
  いなどの問題も現実には起きています。


 ● 自宅での紛失・亡失の可能性だけでなく、遺言書の内容によっては
  相続人による廃棄、隠匿、改ざんの恐れがあり、せっかくの遺言者の
  意思表示が相続人に伝わらず紛争に発展するケースも起きています。
  新たな制度では、生前に遺言者が法務局に保管の申請を行うため紛失
  や改ざんの心配が無く、また、死亡後の遺言書検認手続きが不要となり
  ますので、相続手続きや相続税申告がスムーズにできると期待されます。
                    (パート2へつづく)

消費税軽減税率導入まであと1年! パート2

 ●パート1からつづき
 ●適格請求書等保存方式(インボイス方式)
   2023年10月1日以降、複数税率に対応した仕入税額控除の方式と
  して、「適格請求書等保存方式」いわゆる「インボイス方式」が導入され
  ます。適格請求書(インボイス)は、適格請求書発行事業者として登録を
  受けた事業者でなければ交付できませんので、適格請求書発行事業者とな
  るためには、2021年10月1日以降、登録申請書を税務署に提出して
  おかなければなりません。免税事業者は、課税事業者となることを選択し、
  登録申請書を提出すれば適格請求書発行事業者となることができます。


 ●レジの導入はお早めに
   複数税率対応レジを導入することで、区分記載請求書等の発行が簡単に
  できるようになりますし、今なら軽減税率対策補助金が1台当たり最高で
  20万円受けられます。軽減税率対策補助金は今年8月現在で約7万以上
  の事業者に交付されたとのことです。メーカーによって人気商品が欠品と
  なっていて、納品までに時間がかかるケースも見受けられるようになって
  きました。軽減税率対策補助金の補助事業の完了期限は2019年9月
  30日まで延長されていますが、補助金に限りもありますので、早めの
  対応をおすすめします。

消費税軽減税率導入まであと1年! パート1

 ●消費税軽減税率制度の概要
   2019年10月1日から、消費税及び地方消費税
  税率が8%から10%に引き上げられると同時に、消費税の
  軽減税率制度が実施されます。軽減税率(8%)の対象と
  なるのは、次の2品目です。
  ・飲食料品・・・飲食料品(酒類を除く)
     ※外食やケータリング等を除く。
  ・新聞・・・週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づ
        くもの)


 ●区分記載請求書等保存方式が始まる
   軽減税率制度の実施に伴い、消費税等の税率が8%と10%の
  複数税率になりますので、2019年10月1日から2023年
  9月30日までの間は税率ごとの区分経理が必要です。また、
  区分経理に対応した帳簿及び請求書等の保存も要件となります。
                   (パート2へつづく)
  

配偶者控除・配偶者特別控除の適用に注意

 ● 平成29年度の税制改正において、配偶者控除配偶者特別控除の見直し
  が行われ、平成30年度分の所得税から適用されることになりました。
  これに伴い、給与所得者の扶養控除等申告書、配偶者控除等申告書の記載
  事項が昨年と大きく変わっていますので、今年の年末調整事務は注意が
  必要です。

  ○配偶者控除の見直し
    改正により、納税者本人の合計所得金額に応じて控除額が逓減する
   仕組みに改められ、合計所得金額が1000万円を超えると控除の
   適用はできなくなりました。
  ○配偶者特別控除の見直し
    配偶者特別控除の対象となる配偶者の所得金額が給与収入150万円
   以下(合計所得金額85万円以下)の場合、配偶者控除と同額の控除額
    の適用を受けられるよう見直されました。また、適用範囲が、配偶者
    の合計所得金額が改正前の38万円超76万円未満から38万円超
    123万円以下と見直され、納税者本人の合計所得金額に応じて
    控除額が逓減する仕組みも加わっています。

義援金に関する税務上の取扱い パート2

 ●パート1からつづき
  ○救援活動等を行っている認定NPO法人義援金を支払った場合
    支払者が個人・・・寄付金控除または寄付金特別控除の対象
    支払者が法人・・・「特定公益増進法人に対する寄付金」に
             に含めて損金算入限度額を計算し、その
             範囲内で損金算入


  ○被災した取引先に法人が災害見舞金を支払った場合
    災害を受けた取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程
   にある期間において、被災前の取引関係の維持・回復を目的として
   支出する災害見舞金は交際費等に該当せず損金算入される。


  ○法人が自社製品等を被災者に提供する場合
    不特定または多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等
   の提供に要する費用は、広告宣伝費に準じるものとして損金算入される。
  

義援金に関する税務上の取扱い パート1

 ● 平成30年7月、災害により被害を受けられた方を
  支援するために義援金を支払った場合、受け取った
  場合の税務上の取扱いについて、国税庁からFAQが
  出されました。

  ○ 被災地の地方公共団体に設置された災害対策
    本部等に対して義援金を支払った場合
    
    支払者が個人・・・「特定寄付金(ふるさと納税
             に該当し、寄付金控除の対象 

    支払者が法人・・・「国等に対する寄付金」に該当
             し全額損金算入
      
                 (パート2へつづく)

    

民泊事業により生じる所得の課税関係 パート2

 ●パート1からつづき
   民泊事業における必要経費の例は次のとおり。
   ・民泊仲介業者に支払う仲介手数料
   ・水道光熱費、通信費、固定資産税
   ・民泊事業に利用している家屋の減価償却
   なお、水道光熱費など業務用部分と生活用部分が混在する費用に
  ついては、民泊事業に直接必要であった費用のみが経費となります。
  それらが明確に区分できない場合は合理的な方法により按分します。


 ● また、住宅借入金等特別控除の適用については、総床面積の1/2
  以上を居住用に供している要件について、イ生活用部分、ロ業務用部分
  ハ併用部分(主に生活用)、ニ併用部分(主に業務用)の4つに区分し、
  総床面積のうち生活用部分(イ+ハ)の占める割合が1/2を超えるか
  否かで適用の可否を判定することとされました。