生命保険を有効活用 相続税対策の基礎知識 パート2

●パート1からつづき

 ③相続放棄後の対応

  相続放棄をした人でも、保険金は受取人固有の財産として受け取ることが

  できます。ただし、相続放棄をした人は相続人ではないため、非課税枠は

  利用できない点には注意が必要です。

 このように生命保険を活用することで、相続税対策だけでなく、相続手続きの

 円滑化に寄与する効果も期待できます。

 

● ここで、生命保険を活用した主な相続税対策をいくつか紹介します。

 ①非課税枠の活用

  保険契約者と被保険者を被相続人、受取人を相続人とする契約により非課税枠

  を利用できます。現預金のままではその全額が相続税の対象となりますが、

  生命保険を利用することで相続開始時には相続人が非課税枠のある死亡保険金

  として受け取ることができるため、節税効果が期待できます。

 ②相続税評価額の低い保険の活用

  生命保険契約に関する権利の評価額は、原則、相続開始時の解約返戻金相当額

  とされています。そこで、保険契約者と受取人を被相続人、被保険者を相続人

  とする低解約払戻金型終身保険などに加入すると、相続税評価額を低くする 

  ことができます。

 ③保険料の贈与による節税

  被相続人が贈与した財産を保険料の支払いに充てる方法です。たとえば被相続

  人を被保険者、子を契約者かつ受取人とする生命保険に加入し、毎年の贈与額

  を非課税枠(110万円以下)に抑えることで、贈与税の負担をせずに子に

  保険料を支払わせることが可能です。

 生命保険を活用した相続税対策を適切に行うためには、契約者、被保険者、

 受取人の組み合わせによって課税対象や税率が異なるといった注意点や、税制

 改正などへ対応する必要があるので、専門家に相談することをおすすめします。

 

生命保険を有効活用 相続税対策の基礎知識 パート1

● 生命保険は、相続税対策の有効な手段の一つです。死亡保険金には非課税枠

 があり、相続税軽減が期待できるだけでなく、保険金が受取人固有の財産と

 なるため相続争いを避ける効果もあります。今回は、生命保険のメリットや

 相続税対策での活用方法を説明します。

 

● 被相続人が負担していた生命保険の死亡保険金は、相続税法上「みなし相続

 財産」として、相続税の課税対象となります。ただし、この死亡保険金のすべて

 に相続税がかかるわけではなく、相続人が受取人である場合には非課税枠

 (500万円×法定相続人の数)が設けられており、すべての相続人が受け取った

 保険金の合計額がこの非課税枠を超えるとき、その超えて部分が相続税の課税

 対象になります。そこで、生命保険を活用して、相続人が保険金を受け取れる

 ようにすれば、非課税枠が適用され、相続税を節税することができるので、

 相続税対策の有効な手段の一つとなります。

● また、生命保険には、相続対策として次のようなメリットがあります。

 ①トラブル防止

  保険金は受取人固有の財産となるため、遺産分割協議をしなくても、指定して

 おけば確実に特定の相続人が受け取ることができるので、遺産分割トラブルの

 リスクを抑えれます。

 ②資金の早期確保

  保険金は、被保険者の死亡後に比較的短期間で支払われるため、納税資金や

 葬儀費用などの確保に役立ちます。

                        (パート2へつづく)                     

 

相続の基本を確認しよう。法定相続人と遺言による相続 パート2

●パート1からつづき

  相続では亡くなった人の意志が最も尊重されるため、有効な遺言書が残されて

 いる場合、法的相続よりも遺言の内容が優先します。遺言者は遺言によって自由

 に遺産の分割方法などを決められ、法定相続人に限らず、遺言で指定された人や

 法人などが指定された内容に従って財産の受け取りが可能です。ただし、法定相続

 とは異なる相続方法が指定されている場合は、遺留分に注意が必要です。遺留分

 とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められた相続できる遺産の最低保証額です。

 相続で取得した遺産が遺留分を下回る場合、相続人は遺留分を侵害する遺産を

 取得した者に対して、侵害額に相当する金銭の支払いを請求できます。

 

● 遺言書の有無によって遺産相続の方法が異なる場合があるため、遺言書がある

 場合は遺留分にも注意が必要です。相続が開始してから困らないように、遺言の

 内容が遺留分を侵害しないかという点はあらかじめ確認しておきましょう。  

相続の基本を確認しよう。法定相続人と遺言による相続 パート1

● 相続が開始すると、亡くなった人の財産を相続人が引き継ぐことになるため、

 まず相続人が誰であるかを確定することがもっとも重要になります。今回は、

 相続の基本ともいえる、相続人の考え方についてあらためて確認します。

 

● 遺産が残されている場合、相続が開始すると、遺産を法定相続人が引き継ぎ

 ます。法定相続人とは、民法で相続する権利を定められている人のことです。

 法定相続人になる範囲は、被相続人の配偶者のほか、被相続人の子、被相続人

 の父母や祖父母などの直系尊属被相続人の兄弟姉妹などが定められています。

  被相続人の配偶者は常に相続人になります。配偶者以外の親族の相続順位は、

 被相続人の子が第1順位、第1順位がいない場合は、被相続人直系尊属

 第2順位、第1,第2順位もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が第3順位と

 なります。なお、本来相続人となるはずの人が相続開始時点で亡くなっている

 ときなどには、その人の子や孫などが代わって同順位で相続人となります。この

 仕組みを代襲相続といい、第1順位の被相続人の子は何代でも、第3順位の

 被相続人の兄弟姉妹は一代に限り、代襲相続が認められています。

                       (パート2へつづく)

相続の不正やトラブルから守る「相続欠格」と「相続排除」とは パート2

●パート1からつづき

  排除の請求については生前に手続きを行うほか、遺言によって排除の意思表示を

 することもでき、この場合、遺言執行者が家庭裁判所への請求を行います。また、

 原則、相続欠格は取り消せませんが、相続排除は被相続人が望めば取り消しの請求

 をすることができます。

 

● 相続欠格と相続排除は、どちらも適用された本人は相続する権利を失いますが、

 相続権は代襲相続することができ、子や孫がいる場合、代わって遺産を相続する

 権利があります。なお「相続放棄」は相続人が相続権を失うという点では同じです

 が、相続人みずからの意思によるものである点で、相続欠格や排除とは性質が異な

 ります。相続放棄の場合、はじめから相続人ではなかったとみなされるため、相続

 放棄をした者に子や孫がいても代襲相続することはできません。相続の手続きを

 進めるうえで、相続欠格や相続排除に該当している場合、遺産分割協議において

 トラブルが発生しやすいので注意が必要です。

  相続トラブルが起きないようにするためにも、これらの制度の内容を知っておき、

 必要があれば利用することも検討しましょう。

 

 

相続の不正やトラブルから守る「相続欠格」と「相続排除」とは パート1

● 相続が開始した際、相続人となる範囲や相続順位、遺留分などが民法で定められて

 いますが、一定の場合に、相続する権利を失うことがあります。今回は、相続人で

 なくなることになる「相続欠格」と「相続排除」の制度について説明します。

 

● 「相続欠格」とは犯罪などの一定の重大な不正行為を行った場合に、裁判などの

 手続きを必要とせず、法律上相続人の資格が奪われる制度です。相続欠格に該当

 するケースには、故意に被相続人やほかの相続人を殺害、または殺害しようとした

 ため刑に処せられた場合、詐欺や脅迫によって遺言を作成させたり、遺言すること

 を妨げたりした場合、遺言書を偽造・破棄・隠匿した場合などがあります。相続欠

 格が適用された者は、遺産を一切相続することができず、遺贈を受けることもでき

 ません。

 

● 「相続排除」とは、被相続人が特定の推定相続人に財産を相続させたくない場合

 などに、家庭裁判所へ請求することによって相続人の資格を奪う制度です。ただし、

 請求するためには、被相続人に対して虐待をした場合、被相続人に重大な侮辱を

 加えた場合、そのほかの著しい非行があった場合などの事由に該当する必要があり

 ます。推定相続人の行為がこれらに該当している場合、被相続人家庭裁判所

 排除を請求するこたができ、この請求が認められると、その相続人は遺産を相続

 する権利を失うこととなります。生前に排除の申し立てができるのは被相続人

 限られ、排除の対象は推定相続人のうち遺留分を有する相続人に限られています。

 

● 相続欠格は被相続人が申し立てをしなくても相続人が一定の事由に該当する行為

 を行えば自動的に相続権が失われるのに対して、相続排除は被相続人の請求が

 家庭裁判所に認められる必要があります。

                       (パート2へつづく)

 

 

 

 

 

 

早めの準備が肝心 暦年贈与が適しているケース パート2

●パート1からつづき

  住宅ローン契約の際、通常は担保として不動産に抵当権設定登記がなされます。

 この登記は住宅ローンを完済しても自動的に抹消されないため、抵当権抹消登記の

 手続きをする必要があります。その登記手続きをしなくても、そのまま住み続ける

 分には問題ありませんが、売却やリフォームのための新たな住宅ローンを組む際に

 支障が生じることがありますので、住宅ローンを完済したら速やかに抵当権抹消

 登記の手続きをしましょう。

 

● 抵当権の抹消登記手続きは、次の通りです。住宅ローン完済後、金融機関から

 抵当権抹消登記に関する書類が交付されます。その後、抵当権抹消登記申請書を

 作成、必要書類を準備し、法務局に持参または郵送して申請します。抵当権の

 抹消登記の申請の際は、不動産1個につき1000円の登録免許税が必要です。

  なお、抵当権抹消登記は、自分で手続きをするほか、司法書士に依頼すること

 もできます。司法書士に依頼すると、費用はかかりますが、確実に抵当権抹消

 登記をするこたができます。

 

● 不動産を相続したときは、住宅ローンや保険の状況について確認することが

 大切です。保険に加入していれば保険金で住宅ローンの返済に充てることが

 できるため、住宅ローンが残っているからといって、早まって相続放棄をしない

 ように注意しましょう。