山田洋行と守屋次官の関係は何故15年も続いたのか?

 (1)使途秘匿金
「法人がした金銭の支出(贈与、供与その他これらに類する目的
  の為にする金銭以外の資産の引渡しを含む)のうち、相当の理由なく、
  その相手方の氏名又は名称及び所在地並びにその事由を当該法人の
  帳簿書類に記載していないものをいう」とあります。
  要は、金銭や物を渡したにもかからわず、その相手先を明らかにできない
  場合は、使途秘匿金とされます。 使途秘匿金とされると、通常の30%
  の他にその支出額に対し40%の特別税率による法人税が課税されます。
  合わせて70%の税金が掛けられます。
(2)サービス提供は含まれません
  しかし、金銭や物を渡す代わりにサービスを提供した場合は使途秘匿金
  には該当しません。ですから、飲食の提供やゴルフや旅行への招待で
  あれば、その提供した相手を明らかにしなくても、使途秘匿金に該当
  しないことになります。 しかし交際費には該当いたしますので通常の
  法人税の課税は免れません。
 (3)使途秘匿金は課税すれば済む訳ではない
 山田洋行守屋次官の接待にあたり守屋次官は納入先の公務員であります
  から、贈収賄の懸念もあり当然相手先は明らかにしていなかったと思います
  ゴルフも偽名で行っていたぐらいですから、使途秘匿金に該当すれば70%
  の課税がなされるわけですが、税務当局の過程では当然、相手先や明らかに
  できない理由等が追求されたと思われます。追求されれば、社内や役員会
  でも問題になり後ろめたさが残ります。それだけで癒着が解消されるとは
  思われませんが、15年間(1990年〜2005年)も同じように続くことは、
  無かったかと思われます。
  守屋次官への接待・供応が金品の収受ではなくゴルフや旅行というサービス
  の提供であったことが、癒着が長く続いた一因となった可能性は否定でき
  ないのではないでしょうか。