何のために働くのか?

 * 生活のためだけ?



 先日、ある会社の「入社3年以内の新人研修」でお話をしました。
「あなたは何の為に働いていますか?」という質問をすると、「生活のため」
という答えが一番多く返ってきました。 そこで、次の質問を続けました。
「それでは、あなたは一生遊んで暮らせるほどの財産があるとしたら、
あるいはまた、宝くじで一億円当たったとしたら、あなたは働かないのですか?」
と・・・。 
働くことは苦痛なのでしょうか?  会社とは自己の労働力を提供して、それに
ふさわしい報酬を得るだけの場所なのでしょうか?
人は、通勤時間も合わせると八〜十時間以上も働いています。
人生の多くの時間を占めている「働く」という行為が楽しくないとしたら、
その人の人生は何とつまらないものになってしまうことでしょう。
アメリカに次のような「ことわざ」があります。
 
 一時間の楽しみを得たければ、昼寝をしなさい
 一日の楽しみを得たければ、釣りをしなさい
 一週間の楽しみを得たければ、バカンスをとりなさい
 一月の楽しみを得たければ、結婚しなさい
 一年の楽しみを得たければ、親の財産をあてにしなさい
 一生の楽しみを得たければ、人に喜びを与えなさい

そう、人に喜びを与えることが自分の喜びであり、やりがいであるはずです。
昼寝も釣りもバカンスも、そのときは楽しくても、そこには達成感はなく、
自己実現もありません。
働くというのはワクワクする期待があり、ドキドキする心配もあり、また、
涙のあふれる感動があるものです。働くというのは、決して会社のためではなく、
また経営者のためでもなく、自分自身のためなのです。