●預金を放置すると銀行の収入になる
長期に亘り出し入れのない預金口座を休眠口座といいます。
全銀協では、「休眠預金に係る取扱基準」を定め、一定期間経過
した休眠預金は利益へ振替えるとの規定を置いています。取扱基準
制定は、重加算の対象となるとの税務の要請による、と解説されて
います。国会議員が政府を質す「質問主意書」と内閣総理大臣名で
の答弁書が衆参両議院のホームページに掲載されていますが、その
中に、「休眠口座」に関する上記の事実を採り上げたものがありま
す。質問主意書への答弁書によると、毎年のように、900億円近
い不労所得が発生しています。
●収入のなっても消えるわけではない
銀行預金にも消滅時効の規定が適用され、5年とか10年とかで預
金者は時効により預金債権を喪失する可能性があります。しかし、
金融機関は、利益に計上した休眠預金について、払い戻しの請求が
あると、その請求に応じて支払をしているようです。そうすると、
利益への計上は、時効の援用による利益ということではないことに
なります。なぜなら、時効は援用により確定し、援用により一度確
定した時効利益は撤回することが出来ないからです。