*キャッシュ不足の改善を意識
「利益が出ているのに、納税資金がないのはなぜですか?」という質問をよく
経営者の方々から耳にします。
損益計算書とキャッシュフロー計算書(資金繰り表)の違いはなんでしょうか?
その大きな違いは損益計算書では、掛けで売上げても利益が計上されますが、
キャッシュフロー計算書(資金繰り表)では、その売掛金や手形が現金化しない
限り計上されないという点です。
会社を設立して間がない頃は、売上げ拡大を目指して取引条件は甘くなりがちです。
しかし、3年以上も経過すると、信用も付き、取引先も多くなってくるので、
取引条件などの営業構造を見直す必要がでてきます。
「回収は速く、支払は遅く!」が鉄則ですが、回収の面から言えば、掛売りより
当然現金売りが良くさらに、前受けは資金繰りの面から言えばより良いわけです。
前受けというのは、商品やサービスを提供する前に代金をもらう方法です。
たとえば、プリペードカードや商品券の発行、雑誌年間購読料の前受けなどが
あります。この場合、商品の引渡しやサービスの提供を実際に行うまで利益と
して計上されず、したがって、現金化しているにもかかわらず、税金が
かかってきません。
代金を先に支払って頂くと、割引の特典や景品を付けるなどの方法で販売促進
を計るとともに、貸倒れや納税の心配も生じない前受収益の活用を大いに
行って下さい。
企業経営にとっては、売上拡大も大切ですが、取引条件などの「営業構造の
見直し」も行って下さい。
掛代金が多くなり、支払手形が決済できなくなると、やがて黒字倒産という
結果を招いてしまいます。