勘定あって銭足らず

 ● 法人の決算業務の真っただ中。よく社長さんが言われることに「勘定あって銭足らず」
  という表現があります。少しここで、この言葉について考えてみたいと思います。
   言うまでもなく「勘定合って」とは「利益が出ている」という意味で「銭足らず」とは
  「資金繰りが厳しい」ことですが、その原因は主に5つありそうです。

 ● まず初めは税金です。利益のうち39.43%は税金に取られます。法人税・住民税・事業
  税で、事業税は損金算入できるので実効税率で計算すると39.43%です。
   2つ目は売掛金受取手形の売上債権です。3つ目は棚卸資産である在庫です。4つ目
  は固定資産です。この3つとも売上が増加すると、または売上を増加させようとすると
  増加する資産ですので、つい増えがちです。

 ● 最後の5つ目は借入金返済です。耐用年数より借入金返済期間のほうが短いのが原則
  ですが、借入金による購入は必ず資金繰りへの圧迫が生じます。
   利益が出ても借入金返済でお金が残らない、ということがよくあるわけです。借入が
   できる限度設定は、金融機関側が行う前に、会社側でしておかないと、資金繰りが
   苦しくなると思われます。