●屋台骨を改組した金融証券税制
今年の税制改正は消費税増税への世論向け配慮としての富裕層増税
が目立っていますが、税率を上げるというような形式のものが多い中
で、従来の仕組みを抜本的に改組することによって、富裕層課税の強
化を実現したのが金融証券税制です。
●譲渡益非課税から課税へ
屋台骨の組み換えに第一は、公社債等の譲渡による損益は非課税と
されていたものを課税に変更したことです。
ただし、平成27年12月31日以前に発行された割引債で発行時18%や
16%の源泉分離課税がされているものの償還金や譲渡所得について
ひきつづき非課税です。
●源泉分離から申告分離へ
屋台骨の組み換えの第二は、公社債等の利子の源泉分離を廃止し申告
分離に変更したことです。公社債等の利子は20%源泉分離課税(国税
15%住民税5%)というのが原則でしたが、源泉徴収制度は維持される
ものの課税制度は、税率が20%(所得税15%住民税5%)の申告分離
課税方式に変更されました。
●課税緩和の側面もある
屋台骨の組み換えの第三として、この課税化された譲渡損益と申告
分離化された利子との間の損益通算が可能となりました。
通算しきれない損失は3年間の繰越控除ができることとされました。
(パート2へ続く)