● 役員退職金の判断に大きな変革が訪れるかも知れません。全国的に人気
のある泡盛「残波(ざんぱ)」で知られる比嘉酒造(沖縄・読谷村)が、
役員への退職金や役員報酬が「高額すぎる」として否認された処分の取り
消しを求めた裁判で、東京地裁は「不当に高額とはいえない」と課税処分
の一部取り消しを認めたのです。
● 比嘉酒造は平成22年2月期までの4年間で、役員4人に計12億7千万円の
役員報酬と、創業者への退職慰労金6億7千万円を支払い、法人所得から
控除して税務申告しました。これについて沖縄国税事務所は、沖縄県と
熊本国税局管内の4県(熊本、大分、宮崎、鹿児島)で同程度の売上規模
の酒造メーカー30社を抽出して比較したところ、比嘉酒造の支払った役員
報酬額は平均値の10倍近くに上ったことから、計19億4千万円のうちの約
6億円につき、経費として認められないと判断。「不相当に高額」として
否認し、平成23年6月、同社に1億3千万円を追徴課税しました。これに対
して比嘉酒造は役員報酬などの正当性を主張。徹底的に争う構えを見せ、
処分を不服として東京地裁に提訴していました。
(パート2へつづく)