役員退職金税制が変わる? パート2

 ●パート1からつづき
   裁判長は判決で、類似の比較法人の間の平均値は個々の企業の特殊性が
  取捨され、平準化された数値として評価することは困難としたうえで、
  創業者の同社への貢献度に鑑み、類似企業の最高額を超えていない退職金
  6億7千万円は「妥当」と判断。約5千万円分の追徴課税処分を取り消す
  判断をしました。


 ● 一方、役員報酬については、同社は売上減少で従業員の賃金は減らして
  いるにもかかわらず、役員報酬だけ上昇しているのは不自然であると指摘。
  当局による課税は適法であるとして、同社の主張を退けました。


 ● この判決により、今後は「類似企業の最高値」が役員報酬の判断で重視
  される可能性は高まったといえそうです。しかし、今回のケースでも
  「類似企業にたまたま高額の支払いをしている企業があった」ということ
  であり、いわばイチかバチかという判断になりかねない危険性は伴います。