ピケティの資産課税とマイナンバーと富裕税 パート1

 ●ピケティの提唱
   ピケティの「21世紀の資本」は世界中で爆発的な売れ行きを示して
  います。ピケティは、資産格差を拡大させないよう、累進的なグローバル
  資産課税を提唱しています。個々人が持つ資産を全世界的に把握し、
  資産総額に応じて課税したうえで、税収を関係国間で配分すると
  いうものです。


 ●資産課税への日本の制度化準備
   わが国でも、資産総額への課税制度創設の準備は進んでいます。今年の
  税制改正事項として、従来の「財産債務明細書」を改変し、国外国内を問わ
  ないもので、且つ「国外財産調書」と同じように運営する「財産債務調書」
  制度が創設されます。懲役刑を含む刑罰をもつ「国外財産調書」制度の
  施行に引きずられての見直しのようにも見えます。


 ●罰則ナシでスタート
   「財産債務調書」の新制度には、懲役刑を含むような刑罰は設けられて
  ないようです。提出を義務付けられる人のプライバシーの開示を強制するに
  等しい、財産と債務のオープン化は、100%完璧な申告も限りなく不可能
  であろうし、心理的には相当な抵抗が予想されるところだから、と思われます。
                        (パート2へつづく)