●菅直人首相のもとで策定された民主党の参院選マニフェストは、
「早期に結論を得ることを目指して、消費税を含む税制の抜本改革
に関する協議会を超党派で開始する」と明記した。
さらに菅首相はマニフェストを発表する記者会見で、「自民党が提案
している10%をひとつの参考にさせていただく」と具体的な税率に
触れ、与野党間で消費税が争点化された。
●菅首相は自民党を議論に引き込むことで、消費税率の引き上げへの道
を開こうともくろむ。注目されるのは、増税の時期だ。「鳩山前首相当時
は「衆院議員の任期の4年間は消費税を上げない」としていたが、参院選
マニフェストでは時期の縛りを取り払い、菅首相はさらに「2010年度内に
改革案を取りまとめたい」と踏み込んだ。
●菅首相が参院選を前に「政治家にとってタブー」とされてきた消費税増税
に踏み込んだのは、財務相としてギリシャ危機に接し、財政問題に主導権
を得ることが政治力につながると実感したためだ。
財務相幹部も「首相はかなりやる気になっている」と言う。
しかし、「10%」発言直後の世論調査では軒並み内閣支持率が低下して
おり、物事は簡単にはいかないようだ。