● 内閣府がまとめた2010年度の年次経済財政報告(経済財政白書)
は、日本経済が力強い成長を実現する為に、法人税の実効税率を
引き下げ、企業の収益力強化を図ることで家計の所得を増やす
べきーーと提言した。
● 白書では、日本の法人税の実効税率(40%)が先進国で最も高
いとしたうえで、経済協力開発機構(OECD)諸国では、実効
税率20〜30%の国が国内総生産(GDP)に占める法人税収の
割合が最も高いとの分析を示し、税率の引き下げが必ずしも税収
を低下させない、いわゆる「法人税パラドックス」を持ち出した。
● 鳩山・御手洗では冷え込んでいた政府と日本経団連の関係も、
菅・米倉に変わって関係改善に動いており、両者が会談する
場面も増えてきている。
自民党も参院選マニフェストで法人税率引き下げを盛り込んで
おり、民主党が踏み込めば、今年の税制改正大綱の大ネタに
なる可能性もある。
● ここで課題となるのは財源問題だ。
政府税制調査会は、税率引き下げと引き換えに課税ベースの
拡大を求める方針で、租税特別措置の大幅削減は避けられない。