●民主党内・政府で一斉に消費税論議がわき上がった。
5月に党内の企画委員会が、次期衆院選後の消費税増税を参院選マニェスト
に明記しようと傾けたところ、小沢幹事長が一喝して、消費税論議が一旦
は下火になっていたが、小沢氏が幹事長を退いて重しが外れた格好だ。
●そもそも首相となった菅直人氏から、積極的な増税論者。
官房長官の仙石由人氏も国家戦略担当相時代に、今後3年間の予算の骨格
となる中期財政フレームに、消費税率引き上げの明記を検討する考えを
述べている。新財務相の野田桂彦氏も、財政再建の必要性をたびたび発言
しており、消費税増税への道筋を築こうとしてきた。
●民主党政策調査会長に就任した玄葉光一郎氏も、消費税論議が下火になった
後、党内で消費税増税も含めた今後の財政についての勉強会「国家財政を
考える会」を立ち上げて、党内で「反小沢」の論陣を張ろうとしたほど。
菅首相は、当初官僚とは対決姿勢だったが、ギリシャの財政危機と各国の
懸念を体感し、財政再建路線に傾いた。
今では財務省は悲願の消費税増税への道を、菅首相の手腕に託そうとして
いる。菅首相と財務省の蜜月関係は当面続きそうだ。