●事業的規模の不動産所得
不動産貸付けでの事業的規模の判定には、5棟10室基準があります。
不動産所得は、その不動産貸付けが事業的規模かどうかによって、所得金額
の計算上の取扱いが異なります。この基準を満たすと地方税の事業税の対象
になるとともに、所得税では、賃貸用固定資産の取壊し除却などの資産損失、
賃貸料等の回収不能による貸倒損失、事業専従者給与、65万円の青色申告
特別控除などの必要経費算入が認められます。
5棟10室基準は形式的な基準なので、所得税では、実質的に事業と認め
られる実態があるか否かの社会通念上の判断に適えばよい、とされているの
で、形式基準未満でも事業的規模とする余地があります。
●不動産所得以外での事業的規模
他方不動産所得でない場合は、事業による所得は事業所得、業務(事業的
規模以外)による所得は雑所得と分類されており、この事業所得か雑所得か
によって、事業専従者給与や青色申告特別控除などの必要経費算入、赤字の
損益通算、損益通算後の青色欠損金の3年間繰越などの適用の有無が生じます。
(パート2へつづく)