理想と現実の狭間

  鳩山新政権が動き始めて、まもなく2ヶ月。就任早々から矢継ぎ早に従来の政策の見直しや
 取りやめを発表してきた大臣たちも、中には少々息切れ気味の人も・・・。
 大幅カットを目標とした各省庁からの来年度予算の概算請求も、まだ金額の定まっていない
 事項請求を除いた分だけで、なんと約95兆円と史上最高の規模に。

  マニフェストに掲げた公約を実現するための新たな予算と、そう簡単にはやめる訳には
 いかない従来の予算とを睨んでいる内に、結局、今まで以上にお金がかかる状況になりそうだと
 いうこと。「兆」という単位のお金については、どうも桁が大き過ぎてピンとこない私。
 でも、今年度の税収が40兆円を下回りそうだと聞いて、いきなり目が覚めたような感覚に・・。
 財務大臣は、50兆円を超える国際発行もやむなし、と語っているようですが、そんなことを
 すれば今まで以上に国の借金を増やすことになるじゃないか、と心配になってきます。

  
  政治は、理想と現実の双方を取り扱わなければなりません。野党であれば、理想論から声高
 に批判だけをしていれば良いのですが、実際に責任与党ともなれば物事はそう簡単には進まない
 ということ。残念なのは、その理想と現実の狭間で、現実の側の重力に引っ張られてだんだんと
 面白みのないものに成り果てることが世の中には多いという事実。確かに、価値ある改革は中途
 半端に妥協せず、きっちり推し進めて欲しいものです。