菅財務相が増税案・・・「欠損金の繰り越し」に上限

 ● 5月11日に菅直人財務相は会見で、法人税の「欠損金の繰り越し」について、「単年度内
  に一定を超えれば払っていただき、7年の期間を延ばすやり方もある」と述べた。
  欠損金を翌年度以降に繰り越して利益金から控除して、利益金が残れば法人税を支払って
  いる現行制度を変え、利益金への損金算入に上限を設けて、法人税収の急激な落ち込みを
  避ける意向とみられる。

 ● 財務省内では「2011年度の予算編成は、このままでは歳入不足でできない」(幹部)との
  認識が定着しており、菅財務相も危機感を持っている。
  まずは国債発行額を抑える必要があり、菅財務相は同年度の新規国債発行額を2010年度の
  33兆4千億円以下に抑える方針を表明した。

 ● 財務省は2011年度には、黒字になった企業でも、欠損金の繰り越しで法人税の支払いが
  免除されるケースが多いと予想している。菅財務相もアイデアはこうした企業から
  2011年度に税収を確保する狙いがあるとみられるが、将来の税収の先食いにすぎない。
  算入期間の延長がなかった場合、事実上の増税になり、企業側の反発が予想される。