歩合給の税務上の取扱い

 ● 先日、関与先の社長さんから問い合わせがありました。 
  それは、役員といえども一般の社員と同じように営業の
  仕事をしている。中小零細企業ではよくあるケースです。
  営業部門の社員の営業成績にに対する動機づけの為に、
  給与に歩合制を採り入れているが、役員の給与について
  も同様に歩合制を採り入れた場合、その税務上の取扱い
  はどうなるのでしょうか?


 ● 損金算入の対象となる定期同額給与は、「その支給
  期間が1月以下の一定の期間ごとであり、かつ、当該
  事業年度の各支給時期における支給額が同額である
  給与」をいうことから、たとえ一定の算定基準に基づ
  き、規則的に継続して支給されるものであっても、
  その支給額が同額でない給与は、定期同額給与には
  該当しないこととなります。


 ● したがって、各月の支給額が異なることとなる
  歩合給や能率給等は、損金の額に算入されないこと
  になります。歩合給や能率給等は、一般には、使用人
  や使用人兼務役員に対して支給されるケースが多いと
  思われますが、使用人兼務役員に支給する使用人と
  しての職務に対する給与について歩合制を採用して
  いる場合は、原則として、損金の額に算入されます。


 ● また、役員に対して歩合給を支給する場合において
  固定給の部分と歩合給の部分とがあらかじめ明らかと
  なっている場合は、固定給の部分については、定期
  同額給与の要件を満たす限り、損金の額に算入
  されます。